古代シンオウ人が脱いだので初投稿です。
プレイ時間は25時間くらい。図鑑完成は遠慮したい。
ネタバレ要素がそれなりにあるので気にしないor既にプレイした人向けの内容。
あとポジよりネガのほうが長いです。よろしければ。
いいところ
・たのしいボール投げ
ポケモンがもうサクサク取れる。
その辺にポケモンがのしのし歩いてるんですけど、そいつらにえいやっとボールをエイム合わせて当てれば（序盤は）もうぽんぽんボール入る。最近のポケモンなのでボールに入れても手持ちに経験値入る。レッツゴー乱獲。
乱獲というのも、フレーバー的には図鑑を完成させるためのフィールドワークとして捕獲をするんですが、捕まえた連中を博士に見せるとお金もらえるんですね、お金。ヒスイ地方の貨幣は円が流通してるみたいなので円です。乱獲推奨システムといっても過言ではないでしょう。
もういちいち戦闘入って削ってボール投げとかしたくないですね。
・テキスト感覚
今回はひらがな表記を排して漢字表記オンリーなんですが、それゆえかテキストに用いられる語彙や言い回しも少し対象年齢を引き上げたものであるご様子。
ストーリー中で悪魔の証明だよ、って趣旨の発言をするシーンでポケモン世界（というよりかは当時のヒスイ地方？）に合わせて鬼の証明だよ、と言い換えてる点はそういうのを意識してるのかな、と感じた部分のひとつ。ペラ回しに捻りがあるのはマザーを源流とするポケモンシリーズを思わせるのでポケモンシリーズに地味ながら期待している要素。
・ゆるいアクション
従来シリーズと比べるとリアルタイムアクション要素が強いが、今作のアクションは要求するラインは低め。PCの移動速度は比較的早く、野生ポケモンから敵意を向けられ攻撃される状態になっても、さっさと逃げれば少し攻撃される程度で済む。ダメージを受けても自動回復あるし最悪適当にローリングしたりライドポケモン使って逃げればいい。
何が言いたいかって言うとすぐ死なないアクションゲーって適当に遊べるから楽っすね。最近そんなんばっかやってたせいで余計にそう感じる。これは明確な長所。
わるいところ
・キング・クィーン戦が虚無
上でアクション部分について書いたが、無視できない問題があるのも事実。
その中でもキング・クィーン戦のアクション部分はかなり残念な出来。最初のキングのバサギリの段階で既にワンパ作業だってわかるのすごいよね。タイミング合わせて前転するだけだしターゲット外れるしなんやねん。
あらぶるでかいポケモンにはダウン取ったらポケモン投げて殴れって書いてあるけど、試した感想としてはこのゲームのポケモンバトル部分のワンサイドゲーム感からするに玉投げ続けてるほうがローリスクです。一生ローリングしながら攻撃（シズメダマ）を擦れ。
・戦闘（ポケモンバトル）部分のバランスの悪さ
今作はタイムライン型戦闘（FF10やアトリエシリーズなどでも採用されている）なのだが、これの仕様がはっきりいってわかんなかったです。
タイムライン型戦闘は相手の行動タイミングが行動選択段階で予想でき、戦略を立てて戦いを進めて行けるのが長所のシステム。なんですが、1vs1が主軸のポケモンシリーズの戦闘自体が戦略性が薄くてこのシステムを搭載したところでうまくいくかというと……。
このTL型戦闘を積んだ今作では技に対して早業・力業という威力と行動速度を天秤にかける要素があり、威力を犠牲に次の行動を早くする早業、行動速度を犠牲に今出す技の威力と命中を上げる力業、またどちらも適用しないすっぴんの通常技という3択で戦闘を行っていくスタイル。
細かい仕様は知りませんが、おそらく技ごとに行動ポイントが設定されていてそれを早業・力業で多少操作して後は素早さも絡んだ計算で行動順予想が出ているんだと推測。
従来作で電光石火や氷のつぶてなどの先制技はテキスト説明文で次の行動が早くなりやすいとかなんとか書いてあるんで多分そうでしょう。破壊光線などのターン型反動技は反動こそないものの使用後の行動が通常状態でもかなり遅くなったので多分そんなところ。
仕様を聞いて察しのいい人ならお気づきでしょうが、行動を挟まれないなら早業で削って力業でトドメを刺す、といった戦闘の運び方をするのがかなり有効です。極端な話一生相手に行動させずに殴れるのがTL型戦闘の面白いポイントですからね。一生クイックトリックを撃ち続けましょう。
まあレジェンズだとこれ敵がやってくるんですけど。特に後半。とラスト。
そこらをうろついてる野生はあまりCPUが賢くないんですが、オヤブン（つよいエネミー）やトレーナー戦は一度ターン回すとだいたいこっちの出してるポケモンを行動調整して最効率で殺そうとしてきます。自然の厳しさを感じますね。大抵死にます。R.I.P.
オヤブンに戦闘しかけても不意突かないかぎり最初に出たポケモンは瀕死かゲージ赤になること多数。一致等倍とステの暴力で死にます。
この仕様に今作の普段に増して攻め有利のバランス調整があいまって、1匹のポケモンに複数匹瀕死貰うみたいなことがポンポンおきますね。
なんでそれなりに早くて耐久もあって弱点を突かれにくいポケモンばっか使う羽目になります。ヒスイジュナイパーはヒスイの地では生きていけないんだ（草・格闘）。ブリガロンで学ばなかったの？
遅いポケモンも全体的に人権ならぬポケ権ないのでサイドンとかもかなり厳しい。クリア後はこれが顕著になるのでとりあえず死ににくい伝説を連れまわすことになる。小学生みたいなパーティを今になってやるとは思わなんだ……。
あと要検証なんだけどまだ行動猶予あるからって通常技打って力業打とうとすると通常技打っただけで相手にターン回って死んだりするの何？宇宙猫になるわ。
少なくともウォロ+ギラティナ撃破まで進めた感触としては相手ばっかシステムを把握してくるなという気持ちになりました。後半のトレーナーは下手に力業で踏み込むとターン猶予得た次のポケモンに確実に落とされます。ロズレイドとルカリオとキッスがね。
せっかくなので行動ポイントの消費の多少を（推測だけど）書いときますね。
↑（消費少ない）
アイテム消費・ポケモンチェンジ（薬やチェンジからさらに上取って殴ってこられたりする）
早業・先制技
通常技
過去作で行動不能タイプの反動があった技
力業
↓（消費多い）
まあ長々と書いたんですが、言いたいこととしてはレベル上げてアイテム使ってゴリ押せが普段より最適解になりがちな構造っつーことですね。レベルは正義。
・ストーリーラインのお話
テキストの質感は好きだけどストーリーの部分はちょっと困ったちゃんですね。
現実で存在するモチーフになったであろうあれこれを抜きにしても、開拓を行ういわばその土地を侵略する側に対して先住民側があまりに都合の良い存在であるというか。
当然コンゴウ団もシンジュ団も一枚岩ではないわけですが（ギンガ団に2団から参加したキャラクターもいる模様）、保守的な人物より革新的な、融和的な人物が目立つのがストーリー進行ひいてはギンガ団に随分都合がいいんですよねぇ。
また、話の中ではあらぶっていて危険なキング・クィーンを鎮めるために主人公が現地に赴くのですが、それはマルマインまで。
作中においてはあらぶるクレベースに対し「まだ他者に危害を及ぼしていないのに可能性があるというだけで対処することは正しいことなのか？」という問題提起があるのですが、それに対しての解答は作中では（少なくともプレイした範囲では）見つからずにうやむやにされてしまっているんですよね。デンボク団長の過去にポケモンにより同胞を失っているという話が出てきてはいるのですが、結局それって私怨であって主義と正統性はないんですよね。個人の主義を全体としての主張にすり替えられている感じが否めません。DOGEZAでなんかなあなあで許された感がある。
ポケモンとまだ仲良しじゃなかった時代を描くにしてはポケモンの存在はずいぶんテキトーな扱い。
あとクリア後には各地に存在する伝説や準伝説をボールに入れて捕捉する神様集めスタンプラリーが始まるのでこう……なんというか手心というか……ポケットタイプ神棚ってこと？自然と非合理な信仰の破壊は近代化の第一歩ですからね。
なんつーか全体的にモチーフを都合よく利用してる感が否めませんね。
このあたりの疑問が晴れなかったので、クリア後のウォロが自分の欲求のためにギラティナと手を組んで、私利私欲でアルセウスもとい世界を自分好みにしようとした思考はかなり理解できます。
ヒスイ地方には明確な悪人が登場しない基本的に善人の世界なんですけどそれゆえに無垢な悪が生まれる可能性があることにはフォーカスしていないというのが歪だなぁと。ゲームデザインとしての対象年齢が上がってる割に話はそこまで踏み込んでこなかった。いやブラックホワイトみたいな感じにされてもそれはそれで困るんですが。
まとめ
長々と書きましたけど、短くまとめるなら
・ゲームとしては気楽に遊べていい
・けど話を含んだ全体的なテーマに整合性は感じられなくて評価はしづらい
こんなところです。
現実と絡めた文化侵略的な部分に関しては、ギンガ団/コンゴウシンジュ団/古代シンオウ人の三層構造の中で古代シンオウ人が担当してるっぽいよね。知らんけど。なのでノータッチで。
今のままだと消化不良なのでなにかしらのフォローはしたほうがいいんじゃない？
