再読。のはずなんだけど一応数年前に読んだとはいえすっかり話を忘れていたので実質的に初読のような感覚。軽いネタバレあり。
短編集なので印象に残ったモノをピックアップ。
・地中の火
・歴史のひとこま
最終数ページでオチをつけるタイプのネタ。逆転オチとして深く考えずに楽しめた2本。特に後者は(翻訳の際の?)ページ配分が秀逸で最後にペラっとページをめくると[夢の国]が出てきて〆られるのが見事。よい読書体験。
・守護天使
みんな大好き(地球)幼年期の終わりの第一章にあたる原案となった話。こちらではカレルレン→カレレン呼びとなっておりあまりなじみのないお名前。どっちも発音したことないけど。
幼年期の終わり読み直そうとするときに毎回地下に誘拐されるあたりで眠くなってくるは秘密。なのでまだ通しでは一回しか読んでないですね(再読予定)。
・海にいたる道
新天地に人類の多くが旅立ったあとのいわば故郷、田舎のお話(と受け取った)。
田舎といっても残された技術は現代、もっとも当時の現代とは異なるが、を凌駕し、快適な世界において青年が好きな彼女のため、はたまた自分のなすべきことを見つけに古の都市シャスターへと向かう。
シャスター到着後の文明の跡からみられる荒涼としつつも神秘的な光景、それを独占している高揚感と優越感、そしてそんな若者の情緒をかき乱す同族ながら異なる訪問者。
中編に短しといった程度の分量のため、感情移入して読み進めていった後の侘び寂びに理解を示さない外宇宙から来た人々の無神経がむずがゆくなった。
エモーショナルを理解しない人間が効率と独特な社会的理念を掲げながら既存の概念を《踏み荒らし/Overru》していくのはしばし見る光景ですしね。
タイトル邦訳含め妙な爽やかさがあってよろしくてよ!
こういう古典SFはちょくちょく読みたくなって気軽に読むには分量としょうがないけど古さがしんどいなーとなるので数か月か数年周期でブームがくるものでありまして。
せっかく読んだので更新がてら記録を残しておこうかな、といったところ。